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カンクン&トゥルム滞在記

5.30.2002 - thursday

今日はトゥルムへ移動。

荷物をまとめて、チェックアウトしたあと
ポーター(というのだろうか・・・)のにいさんに
「トゥルムのホテルまでいくらくらい?」と聞いたら
「120」というお答え。

「ペソで?」
「いえ、アメリカドルで」
「・・・・・・」

ひゃく、ひゃくにじゅうどる・・・高いじゃないよー。
トゥルム遺跡までの往復タクシー料金が185ドルだそうで、
片道だと割高になり、120ドルとなるらしい。

高いよー、でも、市バスではいきたくないよー、と
だだをこねてたら「少々お待ちください」とポーターにいさん。
しばらくして戻ってきて「100ドルでどうでしょう?」
値切ってきてくれたらしい。ありがとうありがとう。
セーブできた分、多めにチップを渡す。感謝感謝。

タクシーの運転手さんは、またもや女性であった。
お世話になったホテルをあとにして、
タクシーは南へ南へ。1時間半くらいかかるらしい。

途中でガソリン補給休憩したあと、
運転手おばさんが話しかけてきたのだけど、
スペイン語なので、さっぱりわからない。

おしゃべり好きで陽気そうなおばさんなので、
助手席に人がいるというのに、会話を楽しめない、
という状況は、とても悲しいことなのかもしれない。
うう、すいませんねえ・・・

と、すまなながっていたら、いやいや、という感じで
手をひらひらさせ、まじめな顔でしばし考え込む。
雑談ではなく、なにか伝えたいことがあるらしい。
スペイン語会話集をだすべきだろうか。

と考えていたら、おばさんの顔にパッと笑みが浮かび、
次に叫んだ言葉は「ヤマモート!」であった。

なんと。
このおばさん、昨夜、ヤマモト・レストランまで
連れていってくれたおばさんと同一人物であった。

昨日も今日も助手席に座っていたくせに、
まったく気がつかないわたしもわたしだけど、
いやあ、すごい偶然! 一気に盛りあがる車内。

「そうじゃないかなーと思ったんや」とおとさま。
おばさんの顔を覚えていたからではなく、
速度メーターが壊れているのに気がつき、
もしかして昨日のタクシーかいな、と思ったそうな。

ほう、メーターが壊れてる?
みごとに壊れてた。ぜんぜん気がつかなかった。
毎回妙なところをチェックしてるなあ、おとさま。

これもおとさまが指摘したのだけど、おばさんは
カカトが10cmくらいあるごっついブーツをはいていて、
よくあんなものをはいて運転できるな、と一同感心。

「ヤマモート!」の絶叫で、車内の雰囲気が
すっかりなごやかになったところで、
おばさんが道中の案内をしてくれる。

あそこにナニナニ、あの看板はナニナニ、
あの店はナニナニ、あの建物はナニナニ・・・

言葉がわかれば、もっとおもしろいのだろうけど、
見ればだいたいわかるし、足りない分は笑いで補うべし。
おばさんタクシーは1本道を順調に飛ばしまくり、
やがてホテルの看板を発見。わー。着いたー。

Gran Sole Real, Tulum
オール・インクルーシブのホテル。デラックス・ジュニア・スイート(謎)でひとり1泊84ドル。部屋はとてもかわいらしくて、キレイ。3つのレストランとバーで好きなだけ飲み食いできる(6:30〜22:30)。スパや礼拝堂、美容院、土産物屋などがあり、シアターでは趣向をこらしたにぎやかショーが毎晩行われる。ひとつもやらなかったけど、テニス、スカッシュ、サッカーなどのスポーツ施設も完備、自転車ツアーやビーチエアロビ、水泳/シュノーケル/スキューバ教室などなど、日替わりメニューも充実していた。これらは一部をのぞき、ほとんどが料金に含まれているので、よく遊び・よく食べるアベックや、食べ盛りの男の子が3人ほどいる家族だったら、かなりお得ではないだろうか。キッズ・プログラムもわりとしっかりしてるみたいで、やさしそうなにいさんやねえさんが、毎日お子さま相手に奮闘しているのが微笑ましかった。

しかし、このホテル、敷地が広いというか、
門からメインの建物までが、けっこう遠い。
この道でいいのか? なかば迷子状態。

ホテルのにいさんが歩いているのを見つけたおばさんが
タクシーごとズドドッと路地に突っ込んでいき、道を尋ねる。
まっすぐでいいらしい。そして無事到着。一同拍手。
おばさん、お疲れさまー。パチパチパチ。
メインの建物
時刻はちょうど正午くらいだっただろうか、
チェックイン時間は午後3時と書いてあったのだけど、
ここもすぐ手続きをしてくれた。

ゴルフカートにのって、部屋まで移動。ゴトゴトゴト。
部屋の群れ
やがて部屋に到着し、ガクゼンとするわたし。
なんだこの部屋? 狭いじゃなーい。かわいいけど。
内装はらぶりー
ロイヤル・アイランダーの部屋が広かったせいもあるけど、
デラックス・ジュニア・スイートを予約したのよー。
デラックスだぞ、デラックス!!!

珍しく受話器をにぎり、フロントに電話する。
もしもし、この部屋はジュニア・スイートでしょうか?

「いえ、もっといいお部屋です」
「は?」
「その部屋はマスター・スイートです」
「これが?」←思いきり口が滑る失礼なやつ
「はい」

わかりました、どもども、と引きさがる素直なわたし。
しかし「STUDIO」の部屋を「SUITE」といっていいのか?
となりと合わせると、続き部屋になる、という意味だろか。

よくわからんなあ、と首をかしげていたら、
バスルームから「広くてキレイねえ」とおかさまの声が。
いってみる。おおお。たしかに広い。いい感じー。
いきなり機嫌をなおす現金なわたし。

よく見たら、タオルが2人分しかなかったので、
またしぶしぶ受話器をとりあげて、もう1人分用意して、
ついでにソファベッドも作ってください、と頼む。

しばらく荷物の整理などしていたら、
ふたたびバスルームのおかさまからお呼びがかかる。

「ビデって、どっちむいて使うの?」
「ビデ? 知らないなあ。使ったことないから」
「どっちかしらねえ・・・」
「どっちでも好きなほうでいいんじゃないの?」
「そうだね」
「なんでビデを使うの?」
「だって・・・」

おかさまがもじもじと説明するところによると。
このホテルは、トイレに紙を流すことが禁止されているので、
備えつけのゴミ箱に捨てなければならない。
おしっこはともかく、うんこのついた紙を
ゴミ箱にポイと捨てるのは抵抗があるので、
ビデでお尻を洗ってから、紙で拭きたい・・・

なるほど。それが正しい使い方かもしれない。
と感心しつつ、わたしは大きな用を足しているときに、
噴水にして遊ぶ以外は、いちどもビデを使わなかった。

バルコニーにハンモックがあり、さっそく吊ってみる。
子どものころ、わーい、ハンモックだー、と飛びのったら、
網ごとくるっとまわって転がり落ち、足りない頭を
地面で強打したことを思いだし、慎重に寝転ぶわたし。

しばらくゴロゴロうだうだしてから、昼食をば。
バイキング形式、グリル系、ドレスコードつき、と
3段階のレストランがあって、どこで食べてもいいらしい。
とりあえず、グリル系レストランへいってみた。
レストランとジジババ(目隠し付)
おとさまとおかさまを入れて撮ってみる。
タイのレストランみたいになった。

さーて、なにを食べようかなー。
予測されたことだったけど、ここもアメリカであった。
ハンバーガー、ホットドッグ、サンドイッチ、チキンナゲット。
メキシコなのに、肩身の狭いブリトーとナチョスが涙を誘う。

おとさま、ホットドッグ。
おかさま、クラブ・サンドイッチ。
わたし、意地になってブリトー。

オール・インクルーシブのホテルは初体験で、
食事は期待できないかもしれないなあ、と
思っていたのだけど、なかなかどうしておいしかった。
量もちょうどいいし。

食後、アイスコーヒーはありますか、と聞いたら
すみません、ないのですが・・・としばらく悩んだあと、
「こんなのはいかがでしょうか」と切りだすウエイターにいさん。
アイスクリームに、カルーアをかけるというのは?

うげー。わたしはぜったいだめだ。
とはいうものの、どんなものがくるのか興味はある。
おとさまとおかさまもそれでいいというので、3つ注文。

やがて運ばれてきたアイスコーヒー代用品。
ワイングラスの中で、ソフトクリームが
うんこ状にとぐろを巻いている。ふーむ。

これだけにしとこかな、と思ったときにはすでに遅く、
にっこり微笑んだにいさんがカルーアを注ぐ。どぼどぼー。
あっあっ、もういいっ! わたしのはちょっとでいい!!!
味は想像通りであった。アルコールが飲めればなあ。

別の場所で、エスプレッソこーしーなどを飲んだあと、
だれがいいだすともなく、海辺をぶらぶら散歩する。
おかさまが、孫への土産に貝がらを集めだしたのだけど、
あまりいいのがなかった。チビばかり。なんでだろ。
トゥルムのビーチ
もしかしたらお客さんのいない時間に、
ショベルカーみたいなもので、がばーっと砂浜を掃除してて、
大きな貝はいっしょに回収されてしまうのかも、などと話す。

ちょっと高台になったところに、
なかなか立派なマッサージ台が置いてあった。
海をながめながらマッサージを、という趣向らしい。
いくらか調べたのだけど、忘れてしまった。
でも、そんなに高くなかったと思う。

トゥルムでは「シェル・ハ」という海浜公園に
いきたかったので、ゾロゾロとロビーへ移動し、
コンシェルジェおじさんに相談する。

自分でセッティングするのがめんどうだったので、
ツアーはありますか、と聞いたところ「ありますが、
ツアーはお薦めできません」とおじさん。

遊ぶ時間が限られるし、その上ベラボーに高い!
タクシー+チケットの組み合わせなら、最低料金で
好きな日の好きな時間に、好きなだけ遊べるのです!

鼻息も荒く、そして、なぜかとてもうれしそうに
畳みかけてくるコンシェルジェおじさん。
とても感じがよくて、なかなかノリがよろしい。
どんなとこ? むこうでタクシーは拾える?
ここぞとばかりに聞きまくるわたし。

オール・インクルーシブのパッケージで52ドル。
入園料のほか、シュノーケルセット/ライフジャケット/
浮き輪/タオル/ロッカーのレンタル料、食事と飲物、
チップ、税金などなどが含まれるらしい。

入園料だけなら25ドルなのだけど、貴重品を持って歩き、
おとさまとおかさまの要望に応えつつ、あれこれ計算しながら、
いろいろ借りることを考えると、めまいが襲ってくる。
わたしの独断で、オール・インクルーシブに決定。

ここでチケットが買えるというので、
おとさまがトラベラーズ・チェックを用意する間、
おじさんとだべる。おじさんは、子どものころ、
ちょっとだけ大阪に住んでいたことがあるそうな。

とはいえ、なにしろ30年以上もむかしの話なので、
カタコトの日本語もすっかり忘れてしまったという。
たこやきは? 大阪の味もまったく覚えていないらしい。
「ハシが使えなくてねえ・・・」思い出にひたるおじさん。

出身はどこだったかなあ、カナダ、アイルランド、
そのあたりだったか・・・忘れてしまったのだけど、
育ったのはメキシコだそうで、国籍はちがっても
「ぼくはメキシコ人なんです」とにこにこしてた。

ついでに「離婚歴1回、いまは独身」だそうで、
そんなことまで告白するかオマエ、と思ったのだけど、
カンクンでも「ご結婚は?」となんどか聞かれているし、
こっちでは、家族の話をするキッカケに使うというか、
挨拶ていどに聞くことなのかもしれないなあ。

部屋へ戻ると、ソファベッドができていないのは
ともかく、タオルもきてない。うがー。ぼりぼり。
まあ、そのうちくるだろうと、とりあえずほっとく。

このあと、夜までなにをやっていたか、
記憶からすっぽり抜けているのだけど、
おとさまとおかさまはホテル内探検にでかけ、
わたしはバルコニーで本を読んでいたと思う。

夕方になっても、タオルがこないので、
レストランへいきがてら、フロントで頼む。

こんどは、バイキング形式のレストランへ。
どうだといわんばかりに、ズラリ並んだアメリカ料理。
メキシコらしいものといったら、ドレッシングの
コーナーにあった、ライムぐらいではなかっただろか。

しかし、これだけ品数が多いというのは、
バイキング好きなわたしにとって、大きな喜びであった。
あれをちょっと、これをちょっと、チビチビと盛ってみる。
ふむふむ。どれもわるくない。ごくごくフツーの味。

が、べつになにもいわれなかったけど、
おとさまとおかさまには、似たような料理ばかりで
ちょっときつかったかもしれない。
はるばる日本からやってきたというのに、帰国後、
「メキシコ料理を食べたのだ」といえないとこも悲しい。

わたしはいつでも食べられるので(主にTEX-MEXだが)
まあ、どうでもいいや、と思っていたのだけど、
年寄りふたりが、今後メキシカンを食べる機会なんて、
そうないんじゃないかといまごろ気がつく。しまったなー。
いちどくらいメキシコ料理の店にいけばよかった。

食後、部屋に戻ると、玄関の飾り棚に
タオルが2枚、ぽつんとのっていた。ベッドは?
まだだった。べつに難しいことじゃあるまいに・・・
あれほど念を押したのに・・・ぶち。きれるわたし。

電話したら、こんどはすぐにやってきた。
「大至急ねっ!」といわないとだめなのかしら。
いやん、めんどいじゃありませんか・・・

ぶつくさいいつつ、読書モードに入る。
おとさまとおかさまは「ナイトショーを見にいく」と
なかよくでかけていき、2時間くらいで帰ってきた。

「どうだった?」と聞いたら、
「おとーさん、パンツ一丁になったのよ。アハハ!」とおかさま。
ぱんつ・・・あんだって?

なんでも「女性客たちが、司会者の指示にしたがって、
会場内の男性客から、あれこれ借り集めてくる」という
借り物競争が催されたそうで。

紳士なおとさまは「若くて美しい女性の頼みならば」と
気前よく靴や靴下を差しだしていたのだけど、しまいには
シャツやズボンまで持っていかれ、パンツ一丁に剥かれたそうな。

パンツ一丁て、あーた、トランクスならまだしも
白いおっさんブリーフをはいていたのでは?

そうや、と胸を張られ、思わずフラつく娘。
メキシコまできて、公衆の面前でパンツ一丁・・・

パンツ姿になったところで、その勇気ある男性たちは
舞台上に招待され、中央に山と積まれた衣類のなかから
おのれの服を探しだす、という任務があったのだけど、
ズボンをひとつだけ、司会者がこっそり隠しているので、
それにあたった紳士は、最後までパンツ一丁という仕組み。

「あのう、それ、おとーさんじゃないよね?」
「最後のひとり? いやあ、おれじゃなかった」
「おっさんブリーフの人、ほかにもいた?」
「おったでえ。もうひとり。ワハハハ!」

アッハッハー、オッホッホー、と
笑いがとまらないおとさまとおかさま。
思いがけぬところで、たっぷり楽しんだようで
よかったよかった。

しかし、パンツ一丁・・・
カメラを持って、遊びにいけばよかったか・・・

寝るまえに、ゴロゴロとかみなりが鳴って、
夜中にしばらく雨がふっていた。


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